147 名前:大量の\(^o^)/飛来物の一夜が明けたようです[] 投稿日:2008/11/16(日) 17:39:46.72 ID:dy673NIo0
僕は学生である。名前は内藤ホライゾン。
今日もいつものように、最初の目覚ましから1時間後に布団から這い出る。
今日もいつものように、階段を下ってテレビを見る。
今日はいつもと違い、どこのチャンネルでも特番だった。
(;^ω^)「知らなかったお……」
世界が、この夜大混乱に陥っていたことなんて。
誰が、突然のこんな事態を考えられようか。
149 名前:大量の\(^o^)/飛来物の一夜が明けたようです[] 投稿日:2008/11/16(日) 17:40:25.31 ID:dy673NIo0
川 ゚ -゚)「繰り返します。昨夜、突如現れた大量の人型の飛来物、
『オワタ流星群』により、世界の人口は一瞬だけ30倍にまで増えました」
キャスターが淡々と語り、場面は雲ひとつない夜空から、
大量の両手を上げた人間らしきものが真っ赤になりながら落ちてくる様子に切り替わる。
激しい落下音に交じり、小さく無数の声で
\(^o^)/「オワタアアアアアアアアァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」
\(^o^)/「オワタアアアアアアアアァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」
\(^o^)/「オワタアアアアアアアアァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」
\(^o^)/「オワタアアアアアアアアァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」
\(^o^)/「オワタアアアアアアアアァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」
とまで聞こえてくるその様子は何に例えられよう。
実際、その画面を見ている自分でさえ信じられないカオスである。
150 名前:大量の\(^o^)/飛来物の一夜が明けたようです[] 投稿日:2008/11/16(日) 17:40:59.36 ID:dy673NIo0
J( 'ー`)し「カーチャンも起きてから知ったんだけど、あれは怖いわねー。
ニョン様はあの変なのにぶつかったりしてないかしら」
(;^ω^)「カーチャンもブーンもあの騒動の中ぐっすりと寝てたのかお…
つーかカーチャンwwwこの期に及んでニョン様の心配かおwwwww」
いつもの通りに朝食を並べながら話題に食いつくカーチャン。
乱流にはまっているらしく、最近は何かとニョン様である。
川 ゚ -゚)「政府は、直撃された被害者の方への救援に追われ、
また近くにオワタだった思われる灰を発見された方はそれらを纏めて緊急専用窓口に送るようにと…」
アナウンサーの声とともに画面がさらに切り替わり、病院の中に溢れかえる怪我人となり、その事態の凄まじさを窺わせる。
さらに、現日本公国総理であるASYOU首相が眉を顰めながら被害者全員への支援金を出すとの意図を表明するシーン。
そして、アナウンサーの姿に戻る。
コメンテイターが意見を言う。
先ほどの夜空の画面。…
10分も経つと、同じシーンの繰り返しに嫌気が差してきた。
チャンネルを変えることにしても、どの番組も似たようなシーンばかりだった。
152 名前:大量の\(^o^)/飛来物の一夜が明けたようです[] 投稿日:2008/11/16(日) 17:42:29.47 ID:dy673NIo0
(;^ω^)「…盛大なエイプリルフールだお」
ぶつり、とテレビを切って朝食のパンに手を伸ばしながらため息をつく。
エイプリルフールは半年ほど前だが、きっと世界規模で日付が変わったのだろう。
とりとめもないことを考えながらパンとベーコンエッグという基本的な朝食を食べ切り、早々に家を出た。
テレビがずっと同じニュースばかりでつまらなかったため、
幼馴染のツンとの待ち合わせの約束の時間には余裕があった。
153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/16(日) 17:42:54.43 ID:dy673NIo0
ξ゚⊿゚)ξ「あら、ブーンにしては今日は珍しく早いじゃない」
ツンはブーンより先に来ていた。
歩道に限らず、街路樹や屋根の上まで謎の灰カスがこびりついており、それらを踏まないようにして歩くことには難儀した。
( ^ω^)「ツンおはようだお、昨日の夜何があったのか知ってるかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン、あれ見なかったの?物凄かったのよ。空から変なものが一気に落ちてきた時には死ぬかと思ったんだから!」
( ^ω^)「ツン見てたのかお…ブーンはぐっすりだったお。 お肌つるつるwwwww」
ξ;゚⊿゚)ξ「よくあの中で寝られるわね… アレが消えるまでまるで真昼だったのに」
( ^ω^)「おっおっwww 授業中も寝るブーン様に何を言うかおwwww」
ξ;゚⊿゚)ξ「…ブーンはブーンね… 相変わらずトロいんだから」
( ^ω^)「おっおっおっwwwww」
そんな他愛もない会話をしながら、ツンもブーンも気味の悪い灰カスを踏まないように自然と回避しつつ、
掃除するおばさんや交通整理をする警察官を横目に学校へと歩くのだった。
154 名前:大量の\(^o^)/飛来物の一夜が明けたようです[] 投稿日:2008/11/16(日) 17:44:38.23 ID:dy673NIo0
( ∵)「素直シュールさんがオワタに直接被弾しました」
(;^ω^)「…は?」
SHRの開始と同時に、教師ビコーズが発したのは色々な意味で謎の言葉だった。
(´・ω・`)「先生。シューの様子はどうなんですか?」
( ∵)「危険な状態だそうです」
(;^ω^)ξ;゚⊿゚)ξ(;´・ω・`)「な、なんだってー?!」
クラスでも彼女と仲の良かった僕たちは、登校してすぐにお見舞いに行くことになった。
156 名前:大量の\(^o^)/飛来物の一夜が明けたようです[] 投稿日:2008/11/16(日) 17:45:17.48 ID:dy673NIo0
(;^ω^)「・・・」
彼女の姿を見た途端、友人の誰もが絶句した。
危険な状態だ。そう聞いていた彼女は、
(;´・ω・`)「3点倒立しながら、ぐるぐるとベッドの上を回っているじゃないですかぁぁぁ!!!!」
どう見ても元気にしか見えなかったからである。
从'ー'从「いえ、彼女の容体は芳しくありません。意識がないままに逆立ちする彼女を我々には止められなかったのです」
(;^ω^)「そこは意地でも止めるべきだろJK」
从'ー'从「ベッドに縛り付けても紐を引き千切って逆立ちするので止められませんでした」
(´・ω・`)「そんな無茶な…」
从'ー'从「謎の物体ですから。鎮静剤を打ちましたが、どうにもならず…。
ベッドの上でぐるぐる回っているだけなので、しばらく様子見ということで」
(´・ω・`)「僕らにはどうすることもできないのか…!」
158 名前:大量の\(^o^)/飛来物の一夜が明けたようです[] 投稿日:2008/11/16(日) 17:46:21.94 ID:dy673NIo0
ξ゚⊿゚)ξ「あ!!!!!」
ショボンが壁を叩こうとしたとき、ツンが驚きの声を上げた。
その瞬間、全員の視線が彼女の見ている方、つまりシューへと向けられた。
シューは、回転を止めて震えていた。
lw´_ -_ノv「おわたっ!」
大声で叫ぶとともに反回転ひねりを入れてアクロバティックにベッドから飛び降りた。
きちんと足で着地した彼女は、ふらりとベッドに座りこみ、
lw´‐ _‐ノv「……米。 腹が減った」
と、一言。
( ^ω^)「いつものシューだおwww」
(´・ω・`)「やったね!!!!!」
ξ゚⊿゚)ξ「シュー、もう大丈夫なの?」
从;'ー'从「???」
友人達は米を愛する彼女の様子が普通であることを理解したが、
どう見てもその状況を理解できるはずもない看護師に彼女の様子が戻ったということを説明するのは大変な苦労である。
164 名前:大量の\(^o^)/飛来物の一夜が明けたようです[さるったorz] 投稿日:2008/11/16(日) 17:53:47.61 ID:dy673NIo0
(;^ω^)「…今日は疲れたお…」
昼前にはなんとか素直シュールの性格の説明を終え、友人達は報告のために学校へと戻ることに決めた。
学校へと帰還した生徒達を待っていた先生の言葉は
( ∵)「じゃ、残りの授業を受けて帰ろうか」
というあっさりとしたものだったので、彼らは午後の授業を受けることとなった。
166 名前:大量の\(^o^)/飛来物の一夜が明けたようです[] 投稿日:2008/11/16(日) 17:54:46.14 ID:dy673NIo0
そして夕方、灰カスのこびりつく帰宅道中、家までまだ距離があるのに腹が痛くなったブーンは、
近くにある友人、ドクオ宅のトイレを借りようと思い立つこととなる。
( ^ω^)「ドクオ!!! いるかお!!! トイレ貸してくれお!!!!!」
「思い切り叫ぶな。入っていいぞ」
ドクオの声が聞こえる。腹痛で一刻一秒を争うブーンにとってはまるで天使の声である。
ガチャリ、ドアに鍵はかかっていなかった。
( ^ω^)(テラ不用心wwwww)
急いで靴を脱ぎ、トイレに駆け込む。
168 名前:大量の\(^o^)/飛来物の一夜が明けたようです[] 投稿日:2008/11/16(日) 17:55:46.91 ID:dy673NIo0
そしてドアを閉めようと
('A`)「はいってます」
(; ω )「 お? 」
便座の上に正座しながら茶碗で粗茶を飲むドクオが居た。
バタン、ガチャリ。
ドクオがドアを閉め、鍵を閉じる。
169 名前:大量の\(^o^)/飛来物の一夜が明けたようです[] 投稿日:2008/11/16(日) 17:56:17.36 ID:dy673NIo0
「アッーーーーーーー!!!!!」
夕暮れに、うしろのはじめてを奪われる悲鳴がとどろいた。
大量の\(^o^)/飛来物の一夜が明けたようです