ブーンが神の一手を目指すようです


1 名前: ◆svH3QWONmA :2007/08/24(金) 00:49:33.21 ID:/eEcBthU0
( ^ω^)「ブックオフでヒカルの碁全巻揃えたお!すげぇおもしろいんだお!」



( ^ω^)「ブーンも囲碁覚えて、神の一手を極めるお!」



( ^ω^)「まずは、囲碁のルールをぐぐってみるお」



( ^ω^)「何々……囲碁は黒と白の碁石を使って、互いの地を競うゲームです、云々……」



( ^ω^)「…………」



( ^ω^)「まあ取説なんか読まなくても、やってりゃ覚えるお!さっそく碁会所行ってみるんだお!」


4 名前: ◆svH3QWONmA :2007/08/24(金) 00:52:59.75 ID:/eEcBthU0
碁会所にて……

( ^ω^)「きたお!さあいざ対局だお!」


(´・ω・`)「あれ、内藤くんじゃないか」


( ^ω^)「あっ、ショボン!?きみも囲碁打つのかお?」


(´・ω・`)「まあね、きみこそ意外。棋力はどれくらいなの?」


( ^ω^)「棋力って何だお?」


(´・ω・`)「囲碁の強さのことだよ。ちなみに僕はアマ三段だけどね」


( ^ω^)「じゃあ……ブーンは……三十段だお!」

8 名前: ◆svH3QWONmA :2007/08/24(金) 00:57:55.01 ID:/eEcBthU0
(´・ω・`)「……うーん。ひょっとしてきみ、囲碁はじめたばかり?」

( ^ω^)「うぅ…実はそうなんだお」

(´・ω・`)「じゃあ、僕と打ってみようか。棋力を測ってあげるよ」

( ^ω^)「おお、よろしくお願いしますお!」


(´・ω・`)「はい、よろしくお願いします」

パチッ、パチッ、パチッ……

( ^ω^)「あっ、何するお!その石はブーンのだお!」


(´・ω・`)「え?だって、これはアゲハマだし……」


( ^ω^)「アゲハマって、何だお?」


(´・ω・`)「……ひょっとして、まだルールとか覚えてないの?」


( ^ω^)「覚えるより、慣れろ、だお!」


(´・ω・`)「そうか、じゃあ、うん。僕と一緒にルール勉強しよっか」

10 名前: ◆svH3QWONmA :2007/08/24(金) 00:59:54.56 ID:/eEcBthU0
<ヽ`∀´> (ククク……、こりゃ恰好のカモがいるニダ)


(´・ω・`)「よし、これで大体のルールは覚えたね」

( ^ω^)「ありがとうだお。これで僕も神の一手を放てるお!」

(´・ω・`)「いやぁ、それはさすがに無理だと思うけど・・・・・・」

<ヽ`∀´> 「ハムニダッ!やあ、ちょいとそこのきみ、ウリと一局打たないニダか?」

( ^ω^)「え?いいお、やるおー」


<ヽ`∀´> 「じゃあここは一つ賭け碁で勝負ニダ!」


(´・ω・`)「いや!まだ賭け碁なんか無理だよ」


( ^ω^)「大丈夫だお。ルールも完璧に覚えたし、これならアマ六段にだって負けないお!」


<ヽ`∀´> 「じゃあ、賭け金は……500。。円ということで」


( ^ω^)「OKだお、500円くらいなら何とか持ってるお」


<ヽ`∀´> 「あー、ゴホン。では500。。円で成立ニダ……ククク……」

12 名前: ◆svH3QWONmA :2007/08/24(金) 01:03:06.60 ID:/eEcBthU0
パチッ、パチッ、パチッ……

(;^ω^)「うーん、圧倒的に負けてるお……」


<ヽ`∀´> 「さて、投了するなら、約束の5万円を置いてってもらうニダ」


( ^ω^)「え!?500円のはずだお!」


<#ヽ`∀´> 「てめぇ、コラ!馬鹿抜かしてんじゃねぇぞこの野郎!」


(;^ω^)「ヒッ!?」


<ヽ`∀´> 「5万円と、たしかに約束したニダ!証拠に過去ログ見てみろ。約束を反故にする民族は最低ニダ!」


(;^ω^)「そ、そんな……」


<ヽ`∀´> 「やはり日本人は嘘吐きニダ!謝罪と賠償を要求するッ!」


(´・ω・`)「(これはマズイな……。どうすれば……)」

16 名前: ◆svH3QWONmA :2007/08/24(金) 01:07:55.73 ID:/eEcBthU0
( ^ω^)「うぅ……」


('A`) (へへへぇ、困っているようだなぁ)


( ^ω^)「えっ!?きみは誰だお!?」


<ヽ`∀´> 「ハァ?何言っているニダ」


('A`)(ふふん、俺の声はお前にしか聞こえねぇよ)


( ^ω^)(……どういうことだお?)


('A`)(俺の名前はサ……、じゃなくてドクオだ。幽霊みたいなもんだと思ってくれ)


(;^ω^)(ゆ、幽霊!?)


<ヽ`∀´> 「やい、コラ!早く打つニダ!あるいは5万ニダ!」

21 名前: ◆svH3QWONmA :2007/08/24(金) 01:12:34.21 ID:/eEcBthU0
('A`)(お前、困ってるみたいじゃねぇか。どうだい、助けてやろうか?)

( ^ω^)(助けるって、どうやって?)

('A`)(俺が代わりに打ってやるよ)

( ^ω^)(で、でも……もはや勝敗は歴然……)

('A`)(いいからよ、任せとけって)

<ヽ`∀´> 「早く早く早く!5万ニダ5万ニダ5万ニダ、ニダニダニダニダニダ!」

( ^ω^)(……わかったお。きみに任せるんだお!)

('A`)(あいよぉ、へへへ、いくぜぇ。17の三、ツケ!)

25 名前: ◆svH3QWONmA :2007/08/24(金) 01:15:22.99 ID:/eEcBthU0
<;`∀´>「そそそ、そんな。ウリの石が全滅、めつめつめつめつ……!」


( ^ω^)「か・・・勝ったお・・・」

(´・ω・`)「すごいじゃないか、内藤くん!」

<ヽ`∀´> 「くっ……そんなそんなそんな……!」

(´・ω・`)「たしか、5万円……だったよねぇ?」

<ヽ`∀´> 「ぎゃん!?」

( ^ω^)「いや……いらないお」

(´・ω・`)「え?」

( ^ω^)「在日さんは 生活大変だお。だけど、もう今後こんな姑息な手を使っちゃダメだお」

<ヽ`∀´> 「あんた……。すっ、すまないニダっ……!」

('A`)(あーん、いいのか?)

( ^ω^)(いいんだお、どうせ僕が打った碁じゃないし)

('A`)(だけどよぉ、5万だぜ?本当にいいのか?)

( ^ω^)(いいんだお)

('A`)(そうか)

27 名前: ◆svH3QWONmA :2007/08/24(金) 01:21:06.21 ID:/eEcBthU0

( ^ω^)「結局あの日以来、ドクオとは会ってないお。あいつ何者だったんだろう……」

そのとき、ブーン目がけて走ってくる、エラの張った影の姿があった

<ヽ`∀´> 「兄さんっ!」

( ^ω^)「わぁっ!きみは……ニダー?」

<ヽ`∀´> 「よ、ようやく見つけた。頼む、一緒に来てほしいニダ!」

( ^ω^)「え?え?何?何事だお!?」

<ヽ`∀´> 「事情はあとで!とにかく兄さんの力が必要なんです!」

(;^ω^)「ま、待つお。首引っ張らないでほしいお。おおぉー」

29 名前: ◆svH3QWONmA :2007/08/24(金) 01:32:50.14 ID:/eEcBthU0
ブーンが連れてこられたのは、古い雑居ビルだった

そこに待っていたのはコワモテの男たち数人。

そして、取り巻きに守られるようにして、威圧感漂う男がソファーに腰かけていた。

(`・ω・´) 「オウ……ニダーてめぇ、金も払わずに逃げるとはいい度胸じゃねぇか」

<ヽ`∀´> 「あっ、いやっ、その、違うニダ。もうひと勝負!もうひと勝負で負けを挽回するニダ!」

( ^ω^)(うぅ、何だお……。このふいんき何故か変換できないけど、すごいプレシャーを感じるお……)

(`・ω・´) 「挽回だァ?てめぇの負けはもう300万超えてるんだぜぇ」

<ヽ`∀´> 「だから!もうひと勝負!それで巻き返すニダ!」

( ^ω^)「ねぇ、何話してるんだお?何のことだお、300万とか挽回とかって」

(`・ω・´) 「こいつはよぉ、賭け碁で負けたんだよ。10万の賭け碁でな」

( ^ω^)「じゅ、10万!?」

(`・ω・´) 「それもよ、一目10万だ。こいつの負けは300万だからな」

<ヽ`∀´> 「つ、つまり、2目負けなら20万、3目負けなら30万の支払いニダ……」

( ^ω^)「じ、じゃあ300万の負けを取り戻すなら」

(`・ω・´) 「おうよ、30目以上の差をつけて勝たなきゃならねぇ」

32 名前: ◆svH3QWONmA :2007/08/24(金) 01:39:43.27 ID:/eEcBthU0
<ヽ`∀´> 「兄さん!兄さんなら勝てます!どうかウリの負けを取り返してほしいニダっ!」

(;^ω^)「え!?いやっ、そんなこと言われても……」

(`・ω・´) 「ホォ、面白い。やれるもんならやってみな」

シャキーンがツイと顎をしゃくると、取り巻きの男たちが、碁笥と碁盤を用意した

(`・ω・´) 「俺が直々に相手ェしてやるよ。ああ、言っておくが、中押し負けは無しだぜ」

<ヽ`∀´> 「兄さん!勝つ!勝つニダ!」

(;^ω^)(む、無理だお……。最近ウッテガエシを覚えたばかりなのに……)

(`・ω・´) 「おい、どうした?握れよ」

(;^ω^)「え、ええと・・・・・・今日は膝に水たまってるかた、ちょっと、その……」

(`・ω・´) 「碁を打つか!海底で全身に水ためるか!どっち選ぶんだてめぇ!」

(;^ω^)「わわわ、わかったお!打つお!打つおぉ……」

34 名前: ◆svH3QWONmA :2007/08/24(金) 01:46:32.11 ID:/eEcBthU0
そうして対局が始まった。先番はブーンだったが、焼け石に水のようなものだ。

(`・ω・´) 「ふん、三連星か。小生意気だぜッ」

( ^ω^)「へ?さ、さんれんせー?ああ、うん、そうだお、さんれんせーは奥が深いお!」

初心者のブーンは、単に置けるだけ、星に石を並べたにすぎない。

<ヽ`∀´> 「気をつけてください、兄さん!そいつは、かつて院生だったそうニダ!」

院生とは、すなわちプロの前身、アマの頂点であるといってもいい。

しかし、当然ブーンはそんなこと知らない。

( ^ω^)「ブーンもこないだ健康診断受けたお!ブーンも陰性だったお!」

(`・ω・´) 「何ィ!?てめぇも院生かッ!いいぜ久々に本気出してやるよ!」

(;^ω^)(え、何だお。何でこの人こんなにいきり立っているんだお……)

36 名前: ◆svH3QWONmA :2007/08/24(金) 01:56:52.20 ID:/eEcBthU0
シャキーンの勘違いが幸いし、警戒した彼は、かなりゆっくりとした布石を選んだ。

戦いを仕掛けるのをためらっている様子だ。そのおかげでブーンの棋力はまだバレていない。

( ^ω^)(もう打てる星ないお……。この先どうすりゃいいのかさっぱりわかんないお……)

(`・ω・´) 「長考か……。てめぇ、なかなかセンスが冴えてるじゃねぇか」

( ^ω^)(状況なんかさっぱり読めないお……。これ、どっちが勝ってるんだお……)

<ヽ`∀´> 「さ、さすが兄さんだ……。互角に渡り合ってるニダ……」

( ^ω^)(だから戦況わかんねぇっつってんだろが、チョンが!くぅっドクオがいてくれれば……)

41 名前: ◆svH3QWONmA :2007/08/24(金) 02:06:03.14 ID:/eEcBthU0
(;^ω^)(どうするお、どうするお、どうするお、どうするお、どうするお……!)

(;^ω^)(ヒカルの碁だと、こんなとき佐為が助けてくれるのに……!)

( ^ω^)(こ……ここは…やはり……)

( ^ω^)「……ニダー」

<ヽ`∀´> 「へ?」

( ^ω^)「あの・・・ゴニョゴニョだお」

<ヽ`∀´> 「え?」

(#^ω^)「だから!あれだお!」

<ヽ`∀´> 「え、ええ……。でも兄さんどうして……」

(#^ω^)「いいから言われた通りに動くお!」

<ヽ`∀´> 「わ、わかったニダ!」

(`・ω・´) 「やい、コラどこいきやがる!」

( ^ω^)「大丈夫だお。僕は残るお」

(`・ω・´) 「フゥン……まああいつが戻らなかったら、お前に金払ってもらうからな」

(;^ω^)(ダダダ、大ピンチだお……)

45 名前: ◆svH3QWONmA :2007/08/24(金) 02:14:53.27 ID:/eEcBthU0
数十分後

(`・ω・´) 「コラァ!貴様、いつまで考えてやがんだッ!」

(;^ω^)「な、何言ってるお。読みは大切だお!」

(`・ω・´) 「だからって一手打つのに二十分もかかってるじゃねぇか!」

(;^ω^)「ヒ、ヒカルは北斗杯予選のときに三十分も長考したお」

(`・ω・´) 「ヒカルゥ?誰だそりゃ」

( ^ω^)「江戸川ヒカル、探偵さ」

(`・ω・´) 「…………………」

(;^ω^)「か、軽いジョークだお」

そのとき、ようやくその場にニダーが戻ってきた。

手には碁盤を抱えている。

<ヽ`∀´> 「兄さんお待たせしましたニダ」

( ^ω^)「おお!待ちわびたお!」

その碁番は……あの日、碁会所で使ったそれだ。

( ^ω^)(これでドクオに助けてもらえるお!この戦もらったお!)

49 名前: ◆svH3QWONmA :2007/08/24(金) 02:21:59.65 ID:/eEcBthU0
( ^ω^)(よーし、さあ、ドクオ!次の一手を教えてほしいお!)

・・・・・・・・・・・・

(;^ω^)「……あれ?」

碁盤からは何の反応もない。

( ^ω^)「ドクオー?ほらでておいでー?」

いくら語りかけても、ドクオの返事はない。

(;^ω^)「ちょっ、ドクオ、何で黙ってるお。僕を助けてほしいお!」

(`・ω・´) 「おい、いい加減にしろよてめぇ。何、わけのわかんねぇこと言ってんだ」

(;^ω^)「こここ、こんなはずは……」

佐為は碁盤に憑いていた。ならば、ドクオもまた碁盤に宿った幽霊だと思っていた。

そこでニダーに頼んで碁盤を持ってきてもらったのに……。

(;^ω^)(まさか……まさか……ドクオは碁盤に取り憑いていたわけじゃなかったのかお!?)

52 名前: ◆svH3QWONmA :2007/08/24(金) 02:29:39.81 ID:/eEcBthU0
(;^ω^)(そ、そういえば……佐為のときみたいに、碁盤にシミついてないお……)

(:^ω^)(じゃあ、ドクオは何に取り憑いていたんだお!?碁石!?碁笥!?はたまた座っていた座布団かお!?)

ドクオがいなくては、ブーン勝利できる可能性は、まったくない

(`・ω・´) 「てめぇ、いつまで待たせやがるんだ……!」

( ^ω^)「ニ、ニダー!」

<ヽ`∀´> 「ハムニダッ!?」

( ^ω^)「こないだの碁会所に、もっかい行ってほしいお」

<ヽ`∀´> 「ま、またニダ?今度は何を……」

( ^ω^)「何もかもッ!碁会所にあるものなら、湯呑みから看板まで、全部持ってくるんだおッ!」

<ヽ`∀´> 「はぁっ!?そんな無茶な……!」

( ^ω^)「いいから行くんだおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」

<ヽ`∀´> 「は、はいわかったニダっ!?」

そして、ニダーはまた出て行った。

(;^ω^)(ぜぜぜぜぜぜぜぜ、絶対絶命だお……)

56 名前: ◆svH3QWONmA :2007/08/24(金) 02:39:06.99 ID:/eEcBthU0
そして、それからさらに数十分が経過した。

(`・ω・´) 「もう……我慢ならねぇ……」

(;^ω^)「うっ……」

(`・ω・´) 「いいか……一分だ。あと一分で打たなかったら、勝負放棄と見なし、その場でお前を……!」

(;^ω^)「わ、わかったお!打つお!打つおぉ!」

万事休すか。観念したブーンは、ようやく石を打ち下ろした。

それは、あまりにお粗末な、明らかに悪手とわかる位置……。

(`・ω・´) 「あぁ?」

(;^ω^)「おっおっおっ」

次の手も、その次の手も、ブーンは筋違いな手を連発した。

あっという間に、形勢は決まってしまった。

(`・ω・´) 「なんだ……?なんだなんだなんだ!?てめぇ、院生だったってのはありゃブラフかっ!」

( ^ω^)「陰性だお!HIV検査だったし間違いないお!」

(`・ω・´) 「お前、頭の中湧いてんのか?」


60 名前: ◆svH3QWONmA :2007/08/24(金) 02:45:23.95 ID:/eEcBthU0
(`・ω・´) 「もういい。勝敗は決したな。すでに二十目は差が開いてる」

そういわれても、ブーンはピンとこない。まだ目算もできないのだから。

(`・ω・´) 「だが、中押し負けは許されんぜ。最後まで打ち切るんだ。その頃には・・・…クク、どれほどの差がついているかな」

( ^ω^)「二十目差ってことはええとぉ……」

二百万、の支払いだ。

( ^ω^)「……」

(;^ω^)「アウアウ!」

どんなに嘆いても、奇跡は起こらない。ブーンの人生は、ここで終わる。

だが、そんなブーンの脳裏に、ヒカルの碁で学んだ言葉が浮かんだ。

勝負は、下駄を履くまでわからない。

そのとき。

すっ、と。

影が差した。

62 名前: ◆svH3QWONmA :2007/08/24(金) 02:53:25.97 ID:/eEcBthU0
カン。と下駄が鳴り。

りん。と鈴が鳴った。

ブーンが振り向くと、そこの漆黒の衣装を身にまとった男が立っていた。

( ^ω^)「き……きみは……!」

(´・ω・`)「やあ。おんぎょうしたてまちゅるん」

それはショボンだった。その後ろでは、ニダーが荒々しく息をついている。

<ヽ`∀´> 「はぁっはぁっ、さすがに……しんどいニダ……」

(`・ω・´) 「何だっ、てめぇは!」

(´・ω・`)「まあ、静かにしてくれませんか。あなたと、顔がかぶるんですよ」

(`・ω・´) 「何ィ!?」

( ^ω^)「ショボン、どうしてここに……?」

(´・ω・`)「いやね、ニダーくんが、街中を爆走しているのを見かけてさ、事情を聞いて駆けつけたんだよ」



63 名前: ◆svH3QWONmA :2007/08/24(金) 02:54:20.94 ID:/eEcBthU0
`・ω・´) 「で、てめぇも金払ってくれるのかい?」

(´・ω・`)「いえいえ、金は払いませんよ。僕が払うのは憑物です」

怪訝な顔をするシャキーンに、ショボンは言った。

(´・ω・`)「この世に、不思議なことなど何一つないのですよ」

68 名前: ◆svH3QWONmA :2007/08/24(金) 03:02:20.91 ID:/eEcBthU0
( ^ω^)「ショボン……きみはいったい……」

(´・ω・`)「おっと、ごめんなさい。憑物を払うと言いましたが、それは間違いです」

(`・ω・´) 「はぁ?」

(´・ω・`)「正確には、憑物を……使うんです」

ショボンが何事かをつぶやいた。すると、ブーンの目の前に、見覚えのある姿が浮かび上がった。

('A`)(オウ、久しいなァ)

( ^ω^)「どっ、ドクオ!」

ブーンは叫んだが、ニダーもシャキーンも、ドクオの姿は見えていないらしい。

(´・ω・`)「黙ってごめんね。ほら、こないだきみが賭け碁でピンチになったとき、ドクオに頼んで助けてもらったんだ」

( ^ω^)「じ、じゃあ・・・・・・ドクオが取り憑いていたのは……!」

(´・ω・`)「そう、僕だよ。ドクオは僕に憑いているんだ」

75 名前: ◆svH3QWONmA :2007/08/24(金) 03:12:11.38 ID:/eEcBthU0
('A`)(さぁてぇ、しょうがねぇ、助けてやるかぃ)

( ^ω^)(だ、大丈夫なのかお!?この状況から逆転できるのかお!?)

('A`)(俺ァよぉ、昔ちょいと名の知れた碁打ちだったんだぜ)

( ^ω^)「……」

('A`)(知らねぇか?かつて史上最強と呼ばれ、道策や元丈と並び”棋聖"と呼ばれた打ち手を)

( ^ω^)(史上最強の打ち手……といえば……!本……)



('A`)(炎髪灼眼の討ち手、シャナ!!!)
( ^ω^)(インポ、臭作!!!)


(´・ω・`)(ボケ×ボケがかぶったなぁ……)

81 名前: ◆svH3QWONmA :2007/08/24(金) 03:22:11.35 ID:/eEcBthU0
数時間後、ビルの中には、悲壮に暮れるシャキーンの姿があった。

(`・ω・´) 「ああ……あああああ……俺の金庫の金が全滅、めつめつめつめつ……!」

同刻、夕日に染まる河原沿いの道を歩く、ブーンとショボンの姿。

( ^ω^)「ありがとうだお、ショボン。きみは命の恩人だお」

(´・ω・‘)「お礼ならドクオに言ってよ」

( ^ω^)「ドクオ、ありがとうだお」

('A`)(ふん……マンドクセ……)

(´・ω・`)「こいつのことは内緒にしといてね。いろいろあるんだ、事情が」

( ^ω^)「わかったお。でも、ドクオとはずっとずっと友達だお」

('A`)(う、うぜ……。ま、マンドクセェ!)

こうしてブーンは、ようやくまともに、囲碁の道に進むことができるのでありました。お・わ・り♪



<ヽ`∀´> 「あ、ちょいとー!?誰か忘れてやしないニダかー!?」

(完)

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