×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

川 ゚ -゚)クーは終われないようです

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 20:15:50.05 ID:uCv0PgT50
私は殺し屋だ。
はじめから殺し屋になろうと思っていたわけじゃないし、
そういう職業についているわけでもない。

しかし、いつの間にかこう呼ばれるようになった。
私がいとも簡単に人を殺すからだ。

私としては、好きこのんで殺しているわけじゃない。
それは仕方のないことなのだ。
それなのに、

(´<_` )「あの、すいません」

川 ゚ -゚)「なんだ?」

(´<_` )「素直クールさんですよね」

どこから噂を聞きつけたのだか、こうやって殺しを頼みにくる人が来る。
行き着けのカフェでのんびりとコーヒーを飲んでいた時のことだった。
私としては静かで平穏な暮らしを望んでいるのだが。


5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 20:16:57.45 ID:uCv0PgT50
そして、そういうやつは大概こういったことを言う。

(´<_` )「殺してほしい人がいるんです」

青年は私を真剣なまなざしで見つめた。
大人しめで、真面目そうな印象を受ける。


殺し屋といわれている私だが、
正直人が死んでいくところを見るのは好きではない。
殺し屋稼業を営んでいるわけでもない。
だから普段なら断るところだった。

だがこの真面目に見える彼が、あまりにも思いつめた瞳をしていたために
私はつい断ることができなかった。

川 ゚ -゚)「……話を聞こう」

(´<_` )「ありがとうございます」

彼は少しだけ、はみかみながら微笑んだ。

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 20:18:53.63 ID:uCv0PgT50
(´<_` )「自己紹介が遅れました。俺は流石弟者と言います」

青年は私の向かいの席に座る。
ウィンドウから差し込む光に、元々細い目を更に細めてそう名乗った。

こういう話のかけられかたでなければ
弟者wwwwwwwwすんげ名前だなwwwwwwww
とか言ってやるところだ。

川 ゚ -゚)「とりあえず相手との関係と、どうして殺して欲しいのかを教えてくれ」

(´<_` )「俺には兄がいるんです。
      頭が悪くて根暗でニートで、そのくせ人の顔を見るたびに嫌味ばかり言ってくる。
      死んだ両親によろしく頼まれましたけど、
      最近じゃヒス気味で、疲れてるんです。

川 ゚ -゚)「……それで?」

(´<_` )「その兄を殺して欲しいんです」

川 ゚ -゚)「理由というのは」

(´<_` )「以上です」

川 ゚ -゚)「……それだけ?」

(´<_` )「ええ」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 20:20:26.38 ID:uCv0PgT50
思わず頭をかかえた。
最近の若者というのは、皆こういうものなのだろうか。
真面目そうに見えていて、実は何も考えていないのだろうか。
こんな冷静そうな顔をして、心の中では

(´<_,` )(いい加減wwwwwwwこいつうぜwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
      死にwwwwwwwwwやがれwwwwwwwwwwwwww)
とか思っているんだろうか。

川;゚ -゚)(わからん……)

(´<_` )「……?」

彼は私の行為を不思議に思ったのだろう。
ひっそりと眉を寄せている。
よく見れば、いつもそうやっているのだろう、眉間には皺の跡がついていた。

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 20:21:42.07 ID:uCv0PgT50
川 ゚ -゚)「あー……キミは兄のことが嫌いなのか?」

(´<_` )「いや、むしろ好きです」

川;゚ -゚)「それなら何故私のところにきた」

(´<_` )「あなただからです」

私は息を呑んだ。
そうだった、完全に失念していた。
彼は殺したくないからこそ、私に殺しを頼んだのだ。

川 ゚ -゚)「わかった、引き受けよう」

(´<_` )「ありがとうございます」

川 ゚ -゚)「ただし――」

彼は再び微笑んだ。
その笑みに忠告を下す。

川 ゚ -゚)「――死人は生き返らんよ」

一度死んだらそれきりだ。
私たちの元にはもどってこない。
そう、あのコも。

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 20:24:01.70 ID:uCv0PgT50
 




案内された家は、ごくごく普通の一軒屋だった。
彼に聞いたところ、今は兄と住んでいるらしい。
2人で住むにしてはでかすぎる。

(´<_` )「引越しするのが面倒で、家族が離れてからも、つい」

川 ゚ -゚)「こんなにでかいと掃除が大変じゃないか?」

(´<_` )「使ってる部屋しか掃除してませんから。
      他は倉庫になってて、年末くらいですかね、するの。
      殆どほこりかぶってますよ」

彼は鍵を開ける。
玄関に他の靴が無かったところを見ると、
彼の兄は外出をしない人種のようだ。

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 20:25:59.22 ID:uCv0PgT50
玄関の先にはまっすぐ細長い廊下があった。
廊下の突き当たりに一つの扉があり、
右手には階段があった。

急な段差を上ると、これまた廊下が真っ直ぐ伸びている。
その一番奥の部屋に私は通された。

(´<_` )「ただいま」

川 ゚ -゚)「お邪魔する」

弟者が、そう挨拶しながら部屋に入る。
その後に私が続くが、彼の兄は返事というものをしなかった。

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 20:27:14.89 ID:uCv0PgT50
カーテンを閉め切って、電気もつけないでいる、薄暗い部屋の真ん中。
コタツにもぐり、ノートパソコンを見つめている。
弟者が電気をつけると迷惑そうに顔を上げた。

( ´_ゝ`)「誰だあんた」

川 ゚ -゚)「素直クールだ。はじめまして」

フーン、と鼻を鳴らして、私の頭の先から足の先までぶしつけに眺める。
ゴキブリでも見ているような目つきが、むしろ同情を誘う。

( ´_ゝ`)「あんた何?何しにきたの?」

川 ゚ -゚)「私は――」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 20:29:18.75 ID:uCv0PgT50
( ´_ゝ`)「用が無いなら出て行ってくんない?
      紹介したいって何?彼女か何かなの?
      何で俺がそんなの紹介されなきゃいけないの?」

川 ゚ -゚)「そうじゃない、私は――」

言い切る前に再び言葉を重ねられた。
取り付く島もなしにマシンガントークが浴びせられる。
座ったままだとばかり思っていた男は、急に立ち上がった。

( ´_ゝ`)「おまえもおまえだ、邪魔ならそう言えば良いだろう、直接!
      それをわざわざ他人を持って来て、嫌味なヤツだな、
      そんなに俺が嫌か、そんなに俺がうとましいか!」

男は徐々にこちらへ歩いてくる。
足元にあるモノにはお構いなしで、
何かのコードにも足をひっかけたが、気にすることもなく引きずってくる。

ノートパソコンが床に落ちた。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 20:31:16.15 ID:uCv0PgT50
( ´_ゝ`)「知ってるぞ、彼女をつくるにも、結婚するにも、俺が邪魔で、
      早く、この家から、出て行って、ほしいんだろう」

(´<_` )「兄者、落ち着いてく……」

( ´_ゝ`)「はじめから落ち着いてるよ、
       おまえは、いつも、そうだ、昔から、いつも、人をきちがい扱いして、
       自分は、普通の人間みたいに、いつも、いつも、ずっと、おまえは……」


(# ´_ゝ`)「出て行けよ!!誰の部屋だと思ってんだ!!
       かってに!はいってくるな!!」




(#´_ゝ`)「出ていけ!!出ていけ!!でていけ!!!」

彼は張り手のように掌で強く私たちを押す。
細く軟弱に見えたが、その力は意外と強く、
あっと言う間に部屋の外へ追い出される。

その後すぐに弟者も廊下へ戻り、
ドアが壊れそうなほど大きな音を出して閉められた。

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 20:32:54.52 ID:uCv0PgT50
 

川;゚ -゚)「思った以上に壮絶だな……」

(´<_` )「すみません、いつもああなんです。
      たまに落ち着いてるときもあるんですけど、
      ちょっと被害妄想気味で」

川 ゚ -゚)「おいおい、それは私じゃなくて、
     病院に相談した方がいいんじゃないか?」

(´<_` )「しましたよ、でも駄目だったんです。
      薬が合わなかったのか、担当医が悪かったのか、余計おかしくなって」

(´<_` )「真っ直ぐに歩けなくなってまともに喋れなくなったり、
      コンビニ行ったと思ったら、カゴ持ったまま金払わないで帰ってきたり。
      外出るときに店員気づけよってね、ははは」

川;゚ -゚)

本当、あのときはびっくりした。と、笑う彼は少し寂しそうだった。

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 20:36:04.77 ID:uCv0PgT50



再び突撃しようと、私たちは扉の前で構えた。
いざドアノブに手をかける。
ガチャ、と音がしただけで、ノブは回らなかった。

川 ゚ -゚)「あちゃー、鍵かかってるな」

(´<_` )「やられましたね……鍵はずしとくんだった」

川;゚ -゚)「どうするんだ?」

(´<_` )「ああ、大丈夫です。
      この鍵( ^^ω)ホマーックで買ったやつなんで、外し方は知ってます。

(´<_` )「柔らかいカードとか持ってますか?
      キャッシュとかじゃなくて、テレホンカードあたりの」

川 ゚ -゚)「テレカはないと思うが」

バッグを持って来ていたので、そこから財布を取り出す。
カードを調べるが、殆どが分厚い、硬いカードだった。

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 20:38:34.14 ID:uCv0PgT50
川 ゚ -゚)「おお、あったぞ、薬局のポイントカード、どうだ?」

よく見たら期限が切れている。
あと2ポイントで割引だったのに、惜しいことをした。

(´<_` )「いい感じです」

どうするのかと思ったら、カードをおもむろに、扉の隙間に差し込んだ。
扉の鍵が掛かっているあたりで、普通はそこで鍵がかかる。





(´<_` )「行きますよ、せーの」

掛け声をかけた割りに、音もなくあっさりと扉が開いた。

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 20:40:51.67 ID:uCv0PgT50
鍵に安心していたのだろう兄者は、
私たちの出現に呆然と目を開いたまま固まった。
弟者はその隙に、後ろに回りこむ。

キーボードの上に収まっていた腕を後ろに捻り上げ、
腕力に任せてコタツから引きずり出す。
そのままうつ伏せに倒して、その上に圧し掛かった。

(;´_ゝ`)「ぐえっ!お、おまえら、どこから入ってきた!!」

その手際があまりにも手馴れていて、無駄がなくて、

川 ゚ -゚)「見ただろう、ドアからだ」

としか言えなかった。

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 20:42:52.37 ID:uCv0PgT50
 


川 ゚ -゚)「弟者、本当に良いのか?」

(´<_` )「ええ、良いですよ」

川 ゚ -゚)「ほんっとーに、ほんっとーに良いのか?」

(´<_` )「良いですってば」

川 ゚ -゚)「ファイナルアンサー?」

(´<_`; )「ファイナルアンサー」

川 ゚ -゚)「本当に?FA?していいの?
     オーディエンス使う?50:50も残ってるよ?」

(´<_`; )「良いから早くしてください!そろそろ押さえるの辛いです!
      しかもネタ古いし!」

川 ゚ -゚)「あいわかった」

ネタ古いとか言わなくても良いことだと思う。

私はしゃがんだ。
弟者の下で潰れている彼と目が合う

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 20:44:13.23 ID:uCv0PgT50
 


川 ゚ -゚)「私はおまえを殺しに来た。
     恨みはないが、すまんね」

兄者は嫌悪をたっぷりと含んだ目で私を見た。
眉に皺を寄せて、睨みつける。
その彼の耳を引っ張って、口を近づけた。

川 ゚ -゚)「あのな、xxxxxxx」

川 ゚ -゚)「xxxxxxxでxxxxxxxなんだろう?
     xxxxxxxと思わないか?」

言ったのはそれだけだ。

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 20:45:29.81 ID:uCv0PgT50
それだけなのに、眉間の皺が一瞬で消えた。
驚愕に満ちたうろたえた表情で、私を見つめる。
訂正してくれと言わんばかりだった。

川 ゚ -゚)「しかもxxxxxxxみたいだな。
     xxxxxxxて恥ずかしいと思わないのか?」

弟者が力を抜いた。
抵抗が無くなったことに気付いたようだった。




川 ゚ -゚)「なぁ、xxxxxxx」

(;´_ゝ`)「やめろ!!!!!!」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 20:47:21.88 ID:uCv0PgT50
川 ゚ -゚)「なんでだ?私は本当のことを言っているだけだぞ」

(;´_ゝ`)「ふざけるな!!それ以上余計なことをしゃべったら殺すぞ!」

川 ゚ -゚)「xxxxxxxがそんなに……」

(;´_ゝ`)「やめろ!!やめろ!!!!!」

彼は再び暴れ出した。
しかしそれも弟者に防がれる。

川 ゚ -゚)「ははは、xxxxxxxだな、ははははは」

(;´_ゝ`)「やめろ、やめ……
      弟者、おまえの女なんだろ!どうにかしろよ!!」

自分の力ではどうにもならないことに気付いた。
だから兄者は弟者に叫んだ。

弟者は私と同じように、彼の耳元に口を近づけ、

(´<_` )「兄者、xxxxxxxはxxxxxxxだよ」

と囁いた。

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 20:48:58.42 ID:uCv0PgT50
 



(´<_` )「ありがとうございます。
      これで兄者もこれから静かに過ごせそうです。
      ずっと疲れてたみたいだから」

弟者は兄者をかかえたまま頭を下げた。
そこで彼の兄は、無気力に私を見ていた。
いや、見ていたのは私かもしれないし、私の後ろの何かかもしれない。

(´<_` )「それで、おいくらですか?」

川 ゚ -゚)「いいよ、そういう商売で暮らしてるわけじゃないし、
     完全に殺したわけじゃないし」

(´<_` )「そう、ですか」

川 ゚ -゚)「兄弟は大事にしないと。
     ……廃人になってしまえば、もう戻ってこないんだ」

川 ゚ -゚)「ただ、また元に戻るかもしれないから、その時は」

私は弟者の耳に近づいた。
彼の兄に聞こえないように、小さな声で呟く。

川 ゚ -゚)「と言うと良い」

(´<_` )「わかりました」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 20:50:01.87 ID:uCv0PgT50
川 ゚ -゚)「ただし、あんまり言いすぎると今度は本当に……」

(´<_` )「xxxxxxx」

いい終わる前に、弟者はそう囁いた。
紛れも無く、兄に向かって。

川;゚ -゚)「おい、弟者?
     今駄目だと……本当に再起不能になるぞ!」

(´<_` )「兄者、xxxxxxx」

(´<_` )「xxxxxxx」

(´<_` )「xxxxxxx xxxxxxx xxxxxxx」

彼は私の忠告を遮って、何度も繰り返しその言葉を囁いた。
はじめは肩を震わせていた彼の兄も、次第に無反応になっていく。

(´<_` )「xxxxxxx xx……ははは」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 20:52:20.81 ID:uCv0PgT50
 




(´<_` )「素直さん、今日は本当にありがとうございました。
      途中まで送りましょうか?」

弟者はにこりと微笑んで、玄関の扉を閉めた。
来る時は気付かなかったが、この扉……扉に関わらず全てが重く硬い。
彼の親はどういう了見で、こんなつくりの家を建てたのだろうか。謎だ。

川 ゚ -゚)「いや、近いし良いよ。
     何かあっても、私がやられるはずないしな」

(´<_` )「あはは、初めて噂を聞いた時はまさかと思いましたもん。
      心を殺す、なんて意味不明すぎて笑っちゃいました」

川;゚ -゚)「む、好きでそんなことしているわけじゃないが、若干傷つく」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 20:53:56.04 ID:uCv0PgT50
(´<_` )「まぁ今はそんなこと思ってませんけどね」

川 ゚ -゚)「他言無用で頼むぞ。
     噂が広まったら変な宗教団体扱いされかねん」

(´<_` )「心を殺す為の変な宗教団体か、そりゃいいや。
      創設するときは呼んでくださいね」

じゃ、また会う機会があれば。
それだけを残して、彼は扉の中に消えていった。

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 20:54:37.97 ID:uCv0PgT50
 












38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 20:56:51.59 ID:uCv0PgT50
私は昔から、人の嫌な部分ばかりが見えていた。

初対面の人に会えば、駄目なところばかりが目に留まり、
誰かと長く付き合えば、嫌なところばかりが鼻につく。



近所のおばさんに会えば
「クーちゃんは”あらさがし”がじょうずねぇ」
と嫌みたらしく褒められた。

友達が出来れば
「クーってそういうことしか言えないんだね」
と頬を引きつらせ、涙をこぼされた。



そのうち、その人が気にしていることも、よく目に付くようになった。
私の近くにいる人は、次第に最も遠い人になった。

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 20:59:55.88 ID:uCv0PgT50
ノパ⊿゚)「ねーちゃん、あんまり人の気にしていることを言うもんじゃないぞー」

川 ゚ -゚)「なんでだ、私は本当のことを言ったまでだぞ」

ノパ⊿゚)「本当のことっていうのは、時にざんこくだって、カーチャンが言ってたぞ」

川 ゚ -゚)「ふーん、でもカーチャンxxxxxxxだからな。
     その言葉もあんまり信用できないかな」

ノハ;゚⊿゚)「なっ……そうだったのかー、ねーちゃんははくしきだなー」



唯一私と仲の良かったのが妹だった。
姉妹だったから馬が合うのか、嫌なところが目に付かないのか、わからないが。

そんな妹と喧嘩をした。
最初はヒートの買ってきていたプリンを私が勝手に食べたとか、
今思えばくだらない理由での喧嘩だった。

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 21:02:14.25 ID:uCv0PgT50
その喧嘩は意外と長引いた。
プリンは徐々に別のモノへと進化して行き、
最終的には私たちの存在にまで発展した。

その中で

ノハ#゚⊿゚)「ねーちゃんなんか、友達いないくせに!」

この一言で、私の何かが麻痺した。




川 ゚ -゚)「ならお前の友達はお前のことを友達だと思っているのか?」

ノハ#゚⊿゚)「当たり前だろー!友達だもん!」

川 ゚ -゚)「じゃあxxxxxxxということをxxxxxxxって言っててもか?」

川 ゚ -゚)「それでもxxxxxxxだとxxxxxxxか」

ノハ#゚⊿゚)「なっ……」

川#゚ -゚)「大体お前はxxxxxxxじゃないか、そんなのでよくxxxxxxxれるな」

ノハ#゚⊿゚)「かっ、関係ないだろ!そんなこと言ったらねーちゃんだって……」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 21:05:42.70 ID:uCv0PgT50
普段何も思わなくても。
一度考えてしまうと、今まで見えていなかったものが次々と溢れ出る。
脳が記憶をご丁寧に洗ってくれて、
そこから新たに情報を提示してくれる。

川#゚ -゚)「xxxxxxx。 xxxxxxx、xxxxxxx」

ノパ⊿゚)「ねーちゃん……」

川#゚ -゚)「xxxxxxx、xxxxxxxxxxxxxxxx、xxxxxxxxxxx!」

ノハ;⊿;)「ねーちゃん……ごめん……」

川#゚ -゚)「xxxxxxxxxxxxxxxxx!」

ノハ;⊿;)「ねーちゃん……」








川#゚ -゚)「xxxxxx、xxxxxxxxxxxxxxxx――――!」






44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 21:08:01.76 ID:uCv0PgT50
 


川 ゚ -゚)「ただいまー」

夕暮れの中私は帰宅した。
いつもよりも少し早い時間だった。

マンションの小さな玄関には私の靴だけが並んで居て、
薄暗い廊下には人の気配はない。

ある扉を開けると、一面オレンジ色の部屋が私を迎えた。
いつもなら分厚いカーテンで締め切っているのに、珍しいことだった。




46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 21:09:23.99 ID:uCv0PgT50
 
ノハ ゚ -゚)

その中で彼女は外を眺めていた。
茶色の髪の毛が太陽に照らされて、黄金色に輝いていた。
綺麗だった。

川 ゚ -゚)「ヒート、ただいま。今日は調子良いのか?」

返事は無いのは知っている。
反応も無いのも知っている。
難聴なわけではないし、わざと無視しているわけでもない。

彼女はただこの家の中で存在しているだけ。


ただそれだけ。


48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 21:11:38.94 ID:uCv0PgT50
 
川 ゚ -゚)「ねーちゃんさー、また人に悪口いっちゃったんだー」

簡素なベッドに腰掛ける。
そしてぼーっと壁を眺めた。
まっ白な壁が四方を囲っている。

何とも生活臭のない、殺伐とした部屋だ。
女の子の部屋だとは思えない。

川 ゚ -゚)「いけないことだよなー、ヒートもそう思うよなぁ」

部屋は静かだった。
時計の針だけが私たちに時を告げてくれて、
しかしその音すらも、不揃いで奇妙だった。
ずっと前から、秒針が37から上に登れないでいる。

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 21:13:38.40 ID:uCv0PgT50
 



ノハ ゚ -゚)



気付けば彼女はこちらを向いていた。
反応がないとばかり思っていた。

何となくこっちを向きたかったからだろうか。
それとも、私の言葉の、何かに反応したからだろうか。



ノハ ゚ -゚)

どちらにせよ、彼女が私を見ていることには違いなかった。

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 21:15:51.53 ID:uCv0PgT50
 


川;゚ -゚)「でっ、でもな、ねーちゃんこれでも頑張ってるんだぞ。
     ちゃんと友達だって出来たんだ。
     ……ヒートほどは、いないけど」

ノハ ゚ -゚)

川 ゚ -゚)「……ああ、そういえば今日は、
     新宗教を立ち上げたら呼んでくれと言われたよ」

ノハ ゚ -゚)

川 ゚ -゚)「あ、いや、つくる気はないんだが」

ノハ ゚ -゚)

だが、見ているだけだった。
やはりと言えば、やはり。
変な期待を持ってはいけないものだ。

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 21:18:44.18 ID:uCv0PgT50
川 ゚ -゚)「かれこれ何年になるのかなぁ」

彼女はずっとこうだった。
そしてこれからもこうなのだろう。

腹が減れば食べる。
眠くなれば寝る。
最低限生きるための行動はするのだが、
それらを意識してやっているとは思えない。

川 ゚ -゚)「なーヒート、おまえ本当に生きてるのかなぁ?」

ノハ ゚ -゚)

川 ゚ -゚)

ノハ ゚ -゚)

川 ゚ -゚)「………あーいかんいかん、”きょうだい”なんか見るからだ。
     まったく、あいつらのせいで変なことを考えてしまった」

あいつらはあれで幸せなんだろうか、
私は、これを幸せとなんか、感じないのに。

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 21:20:17.83 ID:uCv0PgT50
川 ゚ -゚)「なー、ヒートー」

ヒートはずっと私を見つめていた。
日が沈んで、部屋の中がまっくらになっても、
ずっと私を見つめていた。


こんな生活をずっと続けるのなら、
いっそのこと、と思う時もある。

何度も私はヒートの首を撫ぜ、
その度によくわからない恐怖と寂寥感に見舞われる。



もしかしたら、明日になったら気付くかもしれない。
明後日になったら、笑うかもしれない。

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 21:21:38.69 ID:uCv0PgT50
川 ゚ -゚)「なー、ヒート、あれ全部嘘だから」

ノハ ゚ -゚)

川 ゚ -゚)「私はおまえの元気で笑ってるところが大好きなんだ」

ノハ ゚ -゚)

川 ゚ -゚)「なぁ、ヒート」


死人は生き返らない。
言葉は巻き戻せない。



私は知っている。

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/15(月) 21:22:14.33 ID:uCv0PgT50
おわりです

支援ありがとうございました!
質問なんかあったらどうぞー
 

TOPに戻る